昔中学で木工の時間に木を削って鳥を作る授業があった。
鳥が羽を広げてる姿を横から写したようなシルエットで
切り出されてる木を削ってゆく。それが普通のやり方。
確かキットに入ってる完成図でもそんなのだった。
他の同級生もそういうやり方だった。
かまぼこみたいな、いびつな鳥型の木の柱から削ってた。
僕はそれではどうやっても綺麗な鳥の形にはならないと
納得がいかず、先生に「これではだめだ」と主張してた。
僕は鳥の図鑑を見て、木のかまぼこに収まるポーズの
スズメの絵を選んで、木に削り出す印を描いて削った。
他の生徒は皆似たような不自然な鳥型になってたが
僕のはまともなスズメの形に作る事ができた。
先生にも生徒にも褒められてたが、僕も当時捻くれてたので
台座を適当に作って、学期が終わっても持って帰らずに放ってた。
いつまで飾られてたのか知らないが、
勝手に学校の正門側エントランスのガラスケースに飾られてた。